内部通報制度の特徴を知っておく

労働問題

内部通報制度と呼ばれるものがあり、この制度を知る前にまず内部告発に関して知っておいた方が良いかもしれません。
ひと昔前から、内部告発と呼ばれるものが流行していました。
内部告発とは、会社の内部の人間が、企業側の中で悪いことをしている人間を訴えることをいいます。

【参考】内部告発とは?リスクや告発者を守る公益通報者保護制度を解説

内部告発の具体的なケース

例えば、会社の中で不正をしている人間がいたとします。
食品会社ならば、食品の日付を偽造して販売しているようなことがよくあったわけです。
この場合、通常外部の者にそれがばれるケースはほとんどありません。
よほど色が悪いか、あるいは変なにおいがするといったことがなければまずバレないわけです。
しかしながら、会社の内部の人間で悪いことを知っていることを知っている人が、その人に対して恨みを持っている可能性があるかもしれません。
すぐに自分に当たり散らし怒るような上司が日付改ざん等をしていた場合、忠臣蔵のごとく敵討ちをするわけです。
そしてその情報を警察や週刊誌等にもっていくようにします。
この時、単なる風説や憶測では意味がないため、実際にその現場の写真などを撮影するなどの行動が必要になりますが、証拠さえあればそれを週刊誌等に得るわけです。
週刊誌のほうも、いくらかお金を払ってその情報を購入します。
もちろん信憑性がなくてはいけないため、裏を取ることをするかもしれませんが、信憑性があれば情報を購入するでしょう。

大きな企業が行った不正は高く売れる

その時、比較的高いお金で得ることができるものの1つは、大きな企業が行った不正になります。
大きな企業が日付改ざん等をして食品を販売していた場合、その情報をリークしてそれがネタになると判断される場合には100,000円かそれ以上のお金で買い取るかもしれません。
特定の上司の話だけでなく、会社自体に不満を持っている人がそのようなことをしたケースも少なくありません。
例えば、半年位前に会社からリストラされたような場合です。
リストラの仕方もいろいろあり、社長から本当に申し訳ないと言う形でリストラされた場合は恨みなどが残る事はありません。

理不尽なリストラのされ方をした場合

しかし、理不尽なリストラのされ方をした場合には、会社に対して恩を感じるところが恨みが残ってしまう可能性があります。
この場合、会社の売り上げを落とすあるいは会社を倒産させるような出来事があれば良いですが、通常の方法だと業務妨害罪などになってしまい逮捕されてしまう可能性があります。
しかし、これが事実の場合は内部告発をしても問題ないケースが多いです。
会社側としても、訴えれば負けることがわかっているためわざわざ訴えるようなこともしないはずです。
このようにリークされた場合、会社としても謝罪をするしか方法はありません。
そしてその会社の評判はガタ落ちになり大きな会社でもかなり売り上げを下げることになりかねません。
小さな会社の場合には、そのまま倒産する可能性すらあります。
この流れは、不景気になってから急に加速したと言えるでしょう。

内部通報制度とは

従来であれば、内部告発が頻繁に行われていたわけですが、最近は内部通報制度と呼ばれるものがあり、これを利用することによりリークを避けるようにしています。
具体的にこの内部通報制度とは、どこに訴えたら良いかと言えば上司ではなくさらにその上に報告することになります。
そのため若干内部告発の延長とは違うだけでなく、完全に内部告発をすることができませんが、少なくとも会社全体に不利益を及ぼすと考える人ではなく、その日付改ざんなどを行っている人に直接恨みがある場合には、会社の上司に報告することで何らかの罰則を与えることができるわけです。

不正発覚のきっかけをより作れるのが狙い

そしてこの制度を設けたもう一つの理由は、不正発覚のきっかけをより作ろうとするわけです。
今までならば、会社の内部の人に言ってもそれがうやむやになり不正発覚したとしてもそれが外部にしてる事はありませんでした。
また逆に、それを指摘したところ返り討ちにあうようなこともあるかもしれません。
ですがこの制度ができたことにより、堂々と不正を指摘することができるようになりました。
これにより、今まで以上に内部の不正が減少し、適切な会社が増えていったと言うわけです。

内部通報制度が適用できる条件について

ただこれを適用する場合には、一定の条件があると言われています。
少なくとも301人以上の従業員がいる会社でなければ、これを利用することができません。
そして、直属の上司が不正を働いていた場合その上の上司に言わなければならず、抵抗がある人もいるかもしれません。
少なくとも、自分が訴えたことがばれてしまった場合、自分自身が会社にいづらくなってしまいます。
もちろんそれを聞いた会社の人間は、誰がリークしたかなどを外部に漏らす事は許されません。
当然会社の内部にすらも出すことも許されないわけです。

まとめ

このようにすれば、誰が訴えたのか分からなくなりますが、それでも信頼関係がない限り口の軽い人などがいた場合は不安で仕方がない部分もあるかもしれません。
結果的に、この制度があっても使わないようなことがあることも考えられるわけです。